2013年8月10日土曜日

知ってはいるが,読んだことがない。


そういうのか気になり,大佛次郎の「鞍馬天狗」を読み、
安部公房の年代物の文庫本が出てきたのをきっかけに読む。

どちらも映画で見ているが、原作は未読だった。

カバーの絵は作者の奥さん。
感覚的に日本人、いや日本の小説的じゃないところだ。

そういうのは演劇との関わりのせいだろうか。




2013年7月25日木曜日

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」


相変わらず面白い。

この作品の魅力のひとつは、
つくるが四人の親友たちから受ける突然の絶縁だ。

しかもそれが後になって当人の知らぬ事実ではないこと、
更にそうせざるを得なかった事情にある。

そうなった経緯も、その後に起こる悲劇も、小説にありがちな突飛さがなく、
あるかもしれないと感じられる点だ。

また作者は、どの作品もだけど作中の人物のつけ方が上手いのも特徴だろう。

今回は名付けの由来が語られているが、
「多崎つくる」の
幾何的にして鋭角なプリズムの形象をイメージさせる名前と、
光を受けて視認できる色彩と色温度が重なる人物の対比が面白い。

        色即是空。

  音楽的なところが素晴らしい。

2013年1月15日火曜日

日本人とアメリカ人が描くジョン万次郎

山本一力の「ジョン・マン」怒濤編、大洋編と、
「HEART OF SAMURAI ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」マーギー・プロイスを読んだ。どっちもとても面白い。
(ニューベリー賞をとるだけあってよく描けている)

知っているようでちゃんと読んだことのない実在の人物だった。
それならついでにその前に書かれた井伏鱒二のも読んでみようかと思う。

あまりにも波瀾万丈な人生のため、誰が描いても面白い。

映画化するなら、ジェット・リーあたりが演じるだろうか…

先日、ハリウッド製の日本映画「SAYURI」を見るにつけ、チャン・ツィイー演じた芸者や、コン・リー、ミシェル・ヨーがなかなか面白かった。

だが、多分日本人としてはやはり気になる部分が邪魔をして作品に没頭できないのかもしれない。それにしても少女期を演じた大後寿々花がとてもいい。ちょっとあの感じで「千と千尋の神隠し」でもできそうだ。

この中浜万次郎の話も、少年期を誰が演じ、どう拵えるかで大きく変わりそうな気がする。