解説によれば、それまで無名だったバルザックを文壇に知らしめた成功作とか。
珍しいことに、この小説は寓話。
落ちぶれた貴族階級に属する貧しい青年が、賭博で最後の蓄えをすってしまう。
絶望し、セーヌ川に投身自殺しようと思った時に、
偶然、川岸の骨董屋に入り、奇異な獣の皮に魅入られる。
これまた謎めいた主人が、その皮には魔術的な力があり、
所有する者の願いを叶えるという。
ただし、叶うたびに皮が縮み、その大きさが余命を警告する。
昔よくあったあの話である。
バルザックが「猿の手」みたいなタイプのアイディアを使っていたとは知らなかった。
だってこの文豪、
「あら皮」的な人物をストーリーの中に組み込むと思っていたからだ。
そんな点でも一見の価値があるかもしれぬ。
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