日本文学全集26、堀辰雄の書籍は随分昔
いただいた物で読む機会のないまま取りおかれていた。
よりによってどうしてこの本を
選んでくださったのか…
読み始め、堀の文章に触れるうち思い出した。
「浄瑠璃寺の春」
という随想が好きだったからにちがいない。
それ以外に知らなかった作家だが、
「菜穂子」「幼年時代」は往年の木下恵介とか
松竹あたりの映画を思わせる楽しさがある。
それは非アメリカ映画で
ストーリー展開の巧みさでみせるのとは
違った独特のモノクロ作品のあれだ。
堀辰雄の小説には、その場面に
無花果や楡の木が描かれるが、
まるで人生というのは樹木と共に
記憶されるべきだと言うようだ。
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