この自伝はいかにもジョン・ヒューストンらしい。
このアメリカの監督は、巨匠だろうか? 名匠だろうか?
巨匠はワイラーだし、名匠はジョン・フォード
の方が相応しい。
いつもジョン・ヒューストンをどう評価していいかわからない。
すごくいい作品もあるが、それを覆すものもある。
この人ちゃんと撮っているんだろうか…
どこかそんな気がするからだ。
この本を読んでなるほどそうかと思った。
自分で勝手に設計して建てた家に、フランク・ロイド・ライトが見物に来て
あれこれと褒めるのかけなすかわからないような
コメントを述べて行ったそうだ。
なかでも「どうしてこんなに天井を高くするんだ。低い方が落ち着く。」
と言われ、背の高い我身の身長に合わせたと解説したとか。
そのユニークなセンスに、もし自伝映画を撮る機会があれば
ヒューストンを希望するという遺言に残したとか。
ヘミングウェイとの交流からも、
ヘミングウェイよりもヘミングウェイらしさのあったヒューストン。
最晩年、黒澤明の「影武者」を絶賛し、
「ビリー・ワイルダーならどうする」の中には、
黒澤、ビリー、ヒューストンがアカデミー賞授賞式で
の三人が一緒になった写真がある。
車いすで「ザ・デッド」を監督したが、これはまだ見ていない。
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