2010年9月28日火曜日

ジョン・スタインベック「コルテスの海」


スタインベックを読むのははじめて。
これはなかなか読みにくい小説の一つだと思う。

その航海の同行者エド・ケリッツの話から、
おかしな生物学研究所を営む奇行の友人が踏切事故で死ぬ場面から回想される。
一体何が面白いのかわからぬままこのパートナーの日常の生態に付き合う。

一種のドキュメンターで、
ババ・カリフォルニア半島の長い長い湾の沿岸を
日本との戦争に突入した頃、この長い航海をはじめている。

海洋研究の、
そう、「ナショナルジオグラフィック」みたいなものだ。
果たしてそういう海洋生物の生態調査報告を
文字で読んで適当かどうかはわからない。

読んでいる途中で、
「オーシャンズ」という海洋映画を見たが、
この航海の体験とシンクロしたような気分だった。

それにして訳が今ひとつよくないような気がする。

2010年9月3日金曜日

「ハロウィーンがやってきた」

宮沢賢治がアメリカにいたら、こういうイメージの幻想文学を書いたように思う。
それと、あすなひろし。
個人的なことだが、ブラットベリを読むと反射的に蘇るのは、
この時代を味わった者の個人的な象徴ではないかと思う。


1971年晶文社文学のおくりものシリーズ
「たんぽぽのお酒」は71年出版で15歳の時に買った。
これはやはり記念碑的な小説だ。


レイ・ブラットベリ「緑の影白い鯨」、ヒューストンの「白鯨」の脚本のことを書いているが文章がしっくりこない。
中学の感動がなくなってしまったのは不思議だ、
同じ作家とは思えない。

いつも感じるが本はタイミング難しい。

さて
読み直しということでもないが、
文学のおくりものシリーズの、
未読の「まっぷたつの子爵」イタロ・カルヴィーノを読んでみた。