電子書籍が話題だけども、本には書籍としての物質性がある。
以前フィレンツェのサンマルコ修道院にある図書館で「本」を見たら
動物の毛がついた表紙で、鉦の鋲が打ち込まれ、鎖までついていた。
しかもかなり重そうだ。
それに比べたら今の本はかなりカジュアル。
それとどうも日本では通勤読書が大きな優位性をしめるためか
書籍としての本にあまり個性を求めぬ傾向がある。
だからこそ、電子書籍なんだろう。
しかし、そこばかりではつまらない。
この小説は文庫で読んだ短編だけど、
こんなふうに何枚もイラストが入った書籍にすると、
ずいぶんと違った印象になる。
そういうポイントとコンセプトで
もう少し本という世界を変えてもらえたらうれしい。
内容の方もこの不眠症の女が前より輪郭がはっきりしている。
その分のせいか、終わりの
閉じ込められた車のインパクトが変わったように感じた。
どちらが好みかはそれぞれだろう。
今度は、手直し前の「眠り」の方を再読してみようと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿