2008年3月22日土曜日

「宇宙のオデッセイ2001」


おそらく、たいていは映画で十分。

          原作本など、どこに読む必要があるか…

         あるいは、そう思わけるかもしれません。

しかし
原作本のハヤカワノヴェルズ「宇宙のオデッセイ2001」、
伊藤典夫訳は、映画とは違った佳作。

ボーマンが断ち切られたスペースポッドから緊急脱出をつかい、
真空の闇を通り抜けて、母船ディスカバリーに戻る

という
極めて映像的な場面は、
もちろん  原作では違ったシチュエーションで描かれてます。

     あれは映画的リアリティとしては見事なシーン。



ボーマン独り木星へと向かう後半の、それも
映像にならなかったところが魅力的です。

   詩的であり  文学的であり
   素晴らしいものがありました。

   最後に、
       その本からの抜粋、



「 やがて彼らは純粋エネルギーの静物に変貌した。

  幾千もの世界で,
  脱ぎ捨てられた殻がひとときひくひくと
  うごめきながら無思考の死の踊りをおどり、

         いつしか錆つき、塵にかえっていった。」




アーサー・C・クラークのご冥福を祈ります。

2008年3月11日火曜日

橋本シャーンの“踊る線”

名前を見た時、ああそうか。ペン・シャーンが好きなのだな、
と、絵の好きな人なら思うだろう。

それにしても、本家の線よりも軽快。
ここまでくるとじつに見事だ。

作者のスケッチに至る遍歴を本で知って
これまた納得した。

鈴木信太郎が描いた長崎のオランダ坂の絵はがき、
に惚れこんだそうだ。

しかし並のそれではない。
そこへ、その場所に何度も通うほど、とはすごい。 感心した。

- なるほど。そんな獲得の仕方があったのか!! -

人の、絵描きの数だけ、スケッチのやり方があるが,
こんな習得もあったのだ。

はて?
自分にも、これほど自由に解放された気分で
スケッチできるものかしら……?


これはぜひとも,試してみたい。





橋本シャーンのスケッチ旅に出かけよう