2011年10月30日日曜日

「紙の民」サルバドール・ブラセンシア

まずこの本は、装丁がいい。

なにしろ紙が主役であり、コンセプトなだけのことはあります。
本のガバーを剥がすと、裏面にもテキストの原文が印刷されている。
それと、おもしろいのは、
帯の宣伝文がじつは表紙に折り返してあり、カバーと一体になっている。
いいアイディアだ。

それからテキストのレイアウト事態が各章ごとに
大きく変化する。
このようにマルチになったり、
ページにシンボルが入り、テキスト文を隠したりと
かなり激しく変わる。

内容?

マルケスの「百年の孤独」を三年繰り返して読んだというだけの
ことはあります。




2011年10月17日月曜日

「おもろい韓国人」高信太郎

韓流ドラマを見ていると
これは日本じゃ成立しない場面があったりする。
それが韓国人論なのか彼らのドラマ論なのか…
いまひとつわからないことがある。

ちょっと出版されずいぶん時間が経っているが、楽しく読めた。
女遊びまで正直に書いた文化論はそうあるものじゃない。
さすが漫画家である。

韓国ドラマをよく見るにつけ、同じアジア人でありながら
本当に違うなと感じる。


日本人との差異が上手く表現できないが
半島と島国ではたとえ些細でも違うモノは違う。



中国人よりも近いシンパシーだし、
遠縁の兄弟的な感覚が強い。

韓国の場合、同じアジアの中でもその
嫌悪感と魅かれる磁力の不思議な強烈で強いせいだと思う。

2011年10月3日月曜日

「蒼き海狼」

こういうNHK的な歴史小説は最も読まぬ分野の一つ。

山本周五郎の「樅の木は残った」と吉川英治の「宮本武蔵」が
唯一それになるが、この二つは果たしてその歴史小説にあたるのか…
いや、もっと普遍的だと思う。

しかし書店で驚いた。

こんなに歴史物があるのか!!!

それも… まるで ライトノベルみたいな…

つくづく日本の出版は通勤会社員がささえていると感じる。
火坂雅志のこんなの本もある訳なのだと痛感する。