2009年2月18日水曜日

施主と建築家の幸福な出会い



藤森照信の手作り建築と
その施主になった赤瀬川原平。

路上観察学会からの親しい仲間が、
家を造るという…それもまた遊びプロジェクトのような
…施主も施主だが建築家も建築家。

溺愛の建て売りやマンション買いの消費大国
日本にあって、一種の神話のような物語。

本が一冊描ける家づくりを施主が目指すと
けっこう面白い家が出現すると思うしだい。


いや、こういうことではない。赤瀬川+藤森のこうした有り様は、
安藤忠雄を有名にした「住吉の長屋」と対極にある。
ここに彼らの価値がある。

安藤は、施主の希望よりも作品を優先させたと思うが、
ニラハウスは、施主と建築家が奇妙な関係にあるが、
基本は仲間みんなでどうやって楽しんで家作りをするかにある。

その為に施主が使われる。

ある意味では、藤森の実験材料の為に物件があるにも関わらず、
この根本は、子供が基地を造る遊びに通じるがある。
安藤にはそれがない。


このことは今の建築ジャーナル的な視点から
もう一つ新しい建築の考え方が建物とともに
出現したのだと思う。

2009年2月11日水曜日

「ラス・メニーナス」の謎、「ベラスケスの十字の謎」



落日のスペインの宮廷画家ベラスケスの傑作、
「宮廷の侍女たち」とか「女官たち」との邦題のついた絵画。

絵の中心、マルガリータ王女の精錬な美しさに
オーギュスト・ルノワールは心を奪われたという。

なるほど確かに後のノルワールの絵には
このような少女の絵が何度も登場する。
おそらくこの人物画だけでも見事だ。
おなじベラスケスの肖像画にはない
今の時間を閉じ込めた勢いが感じられる。

しかし

宮廷画家は何の絵を描いているのか?

これはいつつみても不思議な絵だ。
常々、二次元の世界には、
三次元の世界ではない本質的な魅力があるはずだ。
つまり虚構を含めた絵作りこそ面白い。

二つの異なった空間を構成したり、
過去現在未来の時間を同一画面に表現したり
というが
絵画の本質に迫る面白さだと信じる。

それこそが絵画の世界だろう。
「ラス・メニーナス」にはそれがある。

この絵は見る以上に、絵の自分の視線に見られる絵だ。

この絵に登場する人物をのちに調べた画家によれば、
侏儒マリバルボラの背後、
影のような人物。

ベラスケスの胸の紅い十字。
絵の完成時には、この紋章の示すサンティアゴ騎士団にはまだなっていなかったという。

この小説、「ベラスケスの十字の謎」は、
その謎から啓示を受けた話だ。
よめば、もう一度この絵を見たくなるに違いない。

2009年2月8日日曜日

「レニとよばれたわたし」





この何とも言えない独特な絵と物語があっています。

2009年2月2日月曜日

キャロルか…カロルか…ディケンズの代表作



わたしが書くもおかしいですけど、
ディケンズのおもしろは、
TVや映画がなかった時代のドラマの魅力ではないかと思います。
この良く知られた「クリスマス・カロル」。

読んでいくと、映画的なシーンを彷彿させますね。