2009年2月18日水曜日

施主と建築家の幸福な出会い



藤森照信の手作り建築と
その施主になった赤瀬川原平。

路上観察学会からの親しい仲間が、
家を造るという…それもまた遊びプロジェクトのような
…施主も施主だが建築家も建築家。

溺愛の建て売りやマンション買いの消費大国
日本にあって、一種の神話のような物語。

本が一冊描ける家づくりを施主が目指すと
けっこう面白い家が出現すると思うしだい。


いや、こういうことではない。赤瀬川+藤森のこうした有り様は、
安藤忠雄を有名にした「住吉の長屋」と対極にある。
ここに彼らの価値がある。

安藤は、施主の希望よりも作品を優先させたと思うが、
ニラハウスは、施主と建築家が奇妙な関係にあるが、
基本は仲間みんなでどうやって楽しんで家作りをするかにある。

その為に施主が使われる。

ある意味では、藤森の実験材料の為に物件があるにも関わらず、
この根本は、子供が基地を造る遊びに通じるがある。
安藤にはそれがない。


このことは今の建築ジャーナル的な視点から
もう一つ新しい建築の考え方が建物とともに
出現したのだと思う。

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