2011年12月23日金曜日

「一〇〇年前の女の子」船曵由美

この本は
   どのようなジャンルに入れるべきなんだろう…

1909年に生まれた自分の母親の生涯を描いてはいるが、
宮尾登美子あたりのようなドラマチックさはない。

例えれば
    映画ではなくドキュメンタリーに近いと言えるだろう。

ストーリーよりもその当時の習慣や生活のあり方が
生き生きとした物語になっている。

お年寄りを前に、語ってもらっている
そんな感覚の距離感がとてもいい。

誰かが言っていたが、80歳くらいになると
それまで遠い歴史だと感じていた明治が体験などしてないはずなのに
近くなる気がする、
         90歳くらいなったら江戸なんか
          もうすぐ目の前だ、とか。

この話に頷けたのは、この私の身にもそうした実感があるからだ。
つまり、

未来よりも過去の方が縁が近い訳である。

これはいままで考えもしなかったことだ。

高齢大国なら、こういうのは新しいジャンルで
それならではの読み方なのかもしれない。

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