2010年8月28日土曜日

「1Q84 BOOK3」

なるほど、と想える村上春樹の第三巻

感心するのは、ヒロインの青豆が妊娠していたという設定。
実に見事な小説的なアィディアだ。

ほぼ1年前に読んだ前の二冊だが…


天吾、青豆、牛河の三節で進むストーリー
それが半分くらいまで引きこもっているのも
なんとも現代的だ。


牛河を入れて青豆、天吾の3つの章構成事態がサスペンス的だ。
わざわざ何かを持ちこまずとも時間的な誤差や目撃がサスペンスとなっている。
小説の半分ほど、
それぞれの引きこもり状態の意識と静的な細かさが後半の効果をあげている。

宮部みゆきや東野圭吾がこういうのを書くとどうなるんだろう?
たぶん、そのミステリーとかサスペンスの型に入ったものになるんだろう。
こういう現代作家の小説を読まないのは、そこに理由がありそうだ。


この少し離れた三巻めでは、牛河が探偵として登場。
村上のキャラでは、特にユニークな牛河。
「ねじまき鳥クロニクル」での牛河の新鮮さはインパクトがあった。

個人的には、某政治家の秘書で、マッチポンプ的な悪党人物と
大変よく似ている。

いいかどうか別にして
今回は1/3を占めることもあり、少し読み手と
親しくなった気がしないではない。

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