カラーページでどうしてあんな色を使うのだ?
萩尾望都の使う色彩には混乱させられる。
昔は少女マンガ家の色彩感覚だろうなと承知させていたが、
他の女性作家とも色使いの次元が違う気がしてならない。
無視してきたが次第次第に
無意識に別な領域をくすぐるから、これはあきらかに意図的だ。
この独自な色使いとともに、漫画自体の画面構成にも大きく影響を与えている。
話ストーリー以上に構図と構成が関係しているのは、おそらく
彼女の表現したい時間的感覚。
男性が描くスピード感の効果斜線の如き簡便、かつ単細胞的な直接表現などせずに
空気感を伝える手法は優雅で美しく見事だ。
それが特にSF分野の題材において顕著に現れる。
平面に描く。
この制約には限りがありそうだが、萩尾望都は意欲的で野心家だ。
だからなのか
アニメーション化しにくいのだろう。いや、むしろ
出来ない色使いと大胆で繊細な画面構成だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿