2020年6月14日日曜日

「三島由紀夫全集32」と「金閣寺」

「三島由紀夫全集32」の評論編と長編「金閣寺」と併せて読む。
なるほど面白かった。
「金閣寺」は完成度が高い。
またこの巻にある「美徳のよろめき」も読んでみるが、
映画になりそうな中編小説だ。
だが、撮り方が難しそうでひとひねりいるばずだ。
シリアスにやっても伝わらない。
中平康監督、脚本新藤兼人で制作したらしいのだ
それを…新婚旅行先で観た三島がひどいと嘆いている。

「切腹」には大いに感心する三島は「何がジェーンに起こったか」は二流という。

彼の遍歴でデビュー当時を知る。大蔵省にいた彼は川端康成を押し掛けたり、
人気作家となったばかりの太宰治の「斜陽」を嫌うが当人と対面する積極さを見せる。

後は「切腹」の残酷美には大いに感心しているのが頷ける。
「何がジェーンに起こったか」は二流
「アラビアのロレンス」が英雄としての描写不足だという。

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山口百恵版の「潮騒」を観る。
どちらかといえば都会的なタイプ
ふんどし姿の友和に萌えるが、この作品にはアイドル的すぎるだろ。
吉永小百合版と色々あるが一番最初の青山京子版を三島は褒めていた。
とりわけ青山が良かったという。

三島は己の小説の映画に関して
まったくと云っていいほど評価することがなかったのは、
彼の小説を理解するほどの知性ある監督がいなかったからだ。
脚本を見せて作者に修正を求めたのに、またもとにもしての映画化など
怒りを隠さず随想に書く。
そのエネルギーが戯曲に向わせたのだろう。
市川崑の「金閣寺」、「潮騒」はその中で珍しく評されたものだ。

今ならば…日本じゃ無理か、
韓国ドラマで再映画したらいいだろうな。


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全集27の評論編。
1925年「アポロの杯」はまだまだ渡航しにくかった三島の海外旅行記。
その一つ。
ニューヨークでの「羅生門」が知識層に好評な驚きを記している。

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