2009年4月18日土曜日

モーパッサン短編集

懐かしさに魅かれて文庫本を手に取る。

「紐」は大昔…たしか教科書にあったような記憶…。

「ピエロ」が秀逸。
まるで短編フィルムのよう。

田舎風の未亡人の顔までありありと見えてくる。
話も面白い。

このやや見栄っ張りでケチな未亡人の家に
盗人が入り、女中が不用心だから、
犬を飼った方がいい、と助言。

未亡人が気になるのは、泥棒よけの犬の食費。
パン屋から、かねてより手放したがっている
子犬を貰い受けるが、これが飯の時しか吠えない。

吠えるよりも甲高くきゃんきゃん鳴く。

そのうち情がわくが、税金がかかると知るに及んで、
とんでもないと、大慌て。

近くの坑道の穴に捨てるが、その夜から後悔に苛まれる。
穴に声をかければ、可愛い犬の声。

穴掘り人夫に頼むが、費用を聞くと腹を立てる。
ご飯を与えればいいと女中。

パンにバターをつけて穴に放り込むが、もう一匹明らかに
大きな犬が放り込まれている。

因果を含め、オマエのパンダと投げるが、声の様子では
ピエロのパンはもう一一匹に喰われ、情けない声で吠える。

悲しいやら情けないやらの未亡人だが、
他所の犬を養うつもりまでない怒りをぶちまけ、
なき女中と帰るという話だ。


キ・ド・モーパッサンは、この前に呼んだ「ボヴァリー夫人」のフローベール
の親戚とかで、師事したとある。

もっぱら、お金がいる為に、新聞に短編を載せたという。

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