2009年4月20日月曜日

古典とモダンの間-モランディ

毎年10年ほどボローニャへ行く機会があったので、
たぶん人よりモランディを見ている。

毎年見ていたが、このほとんど静物しか描かない
絵が好きになったのはその一番最後だった。

やはりどこかずっと気になっていたのだろう。
フェリーニは映画にまで彼の絵を出して賞賛している。

ボローニャでほぼその生涯を終えたこともあり、
市庁舎には、一般のコレクション絵画コーナーから
ついに
モランディだけの美術館もできた。

やはり街の中にあるアトリエから
この画家が使っていたも静物のモチーフも移設され
観ることが出来る。



しかしこんな程度で収まってしまうのがすごい。
人間のモデルもほとんど使わないし、瓶とか陶器とかを
繰り返し繰り返し絵に描いた。

この足なしのテーブルはモランディ自身が作ったのだとか。

奇妙な祭壇であり、彼にとっては宇宙だったんだろう。





それにしてもベン・ニコルソンが好きだったのに
モランディは、ずっと退屈な静物画家だと、
どうして思い込んでいたんだろう。

ボローニャで観ると、聖人の宗教画にもみえるし、
他とは変わった抽象画に感じられ、
過去と未来の架け橋にモランディがいる。

ほんとうに、静物画じゃない。

生きていたり、動いていたり…


最近手に取った

「ジョルジョ・モランディ 静謐の画家と激動の時代」
ジャネット・アブラモヴィッチ著。バベルプレス刊。

によれば、

ボローニャ近郊のグリツィアーナに別荘があるが、
ナチス進行で、押し入られたらしいが彼の絵は欲しがられなかったと
モランディが語っていたそうだ。


作者はかってモランディの生徒だという。

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